KIM&CHANG
IP Newsletter/ May 2019
2019年、韓国特許庁の注目する制度
弁理士 呉賢植
特別司法警察取り締まり範囲の拡大
知識財産侵害犯罪の根絶のために特許庁が直接、特許・営業秘密・デザイン侵害犯罪を捜査し、取締りもできるようになった。2019319日から施行され、いわゆる「贋物」などの商標権侵害事件にのみ限定されていた特許庁特別司法警察の捜査管轄を特許・営業秘密・デザイン侵害にまで大幅に拡大した。
特別司法警察制度とは、行政機関が一般警察よりさらに効率的に処理できる専門分野の犯罪や特定の空間で発生する犯罪を行政公務員が直接捜査することができるように警察と同じ法的権限を付与する制度である。
法務部の統計によると、特許・営業秘密・デザイン侵害の犯罪は毎年1000件以上発生しているが、専門性を持っている特許庁が迅速且つ正確に事件を解決することにより、侵害にあった企業の被害を効果的に救済することが期待される。知識財産侵害犯罪に対する告訴、告発は特別司法警察業務を担当する特許庁産業財産調査課ですることができる。
特許審判における国選代理人の選任制度の導入
知識財産保護に脆弱な社会的・経済的弱者を対象に特許審判での国選代理人の選任を支援し、国選代理人選任当事者の審判手数料を減免する制度が201979日付で施行される。
小企業、大企業と紛争中の中企業、若手起業家、障がい者などの社会的・経済的弱者は高額な費用が伴う知識財産紛争の対応が困難で、代理人のいない社会的・経済的弱者の審判事件数は、最近5年間で約370件余りに達する。
国選代理人は当事者の申請によって弁理士法第5条第1項により登録された弁理士を対象に審判院長が選任することができ、選任された国選代理人は業務を遂行することができない正当な事由がある場合、辞任申請も可能である。
高品質審査・審判サービス提供のための4次産業革命対応「審査インフラ革新」の 推進
韓国特許庁は今年、審査審判関連の重点事業として、4次産業革命技術に最適化された専門担当審査組織の新設を推進し、審査組織を改編して核心技術分野で強い特許を確保するための支援をする予定である。融合・複合技術分野は多様な技術が関連して技術革新の速度が速いため、別途の審査基準及び迅速な審査支援が要求される分野である。
また、超融合、超連結の特性を考慮し、単独審査の限界を補完するために関連技術分野審査官3人による3人協議審査を実施する予定であるが、特に新薬生産にAIを適用したり、交通システムにIoTを適用するなどの融合・複合技術は協業審査が必須である。
さらに、4次産業革命技術関連の新特許分類体系を拡大して革新成長動力技術分類体系と連係して審査正確性の向上及びR&D効率化を計画中であり、新特許分類技術に対して優先審査を拡大し、新規・融合・複合商品・物品に対する商標・デザイン審査体系も整備する予定である。
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